ドーピング停止処分からの金メダル:「私は罰を受けた」

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2025アルペンスキー世界選手権|滑降 女王ジョンソン:ドーピングによる14ヶ月の出場停止からの奇跡の勝利

約1年間の出場停止を経て、アメリカのスキーヤー、ブリージー・ジョンソンはプライベートチームで復帰し、ついに頂点に立った。

彼女はこれまでワールドカップでの優勝経験はないものの、7回表彰台に上がっている。しかし、最後にトップ3入りしたのは2021年まで遡る。

彼女のキャリアは幾度となく中断を余儀なくされてきた。例えば、2018年には膝のケガで欠場し、2022年のオリンピックも負傷により出場できなかった。


14か月の出場停止を経て復帰

昨シーズン、彼女はワールドカップの舞台から姿を消していた。ジャクソンホール(ワイオミング)出身のジョンソンは、14か月間の出場停止処分を受けていたのだ。原因はケガではなく、ドーピング規則違反だった。彼女は度重なる居場所の申告ミスにより、ドーピング検査を受ける機会を逃してしまった。

プライベートコーチとともに彼女は復帰を目指し、再びチームに合流した。「誰かに証明する必要はなかった」とジョンソンは語る。プライベートコーチとのプロジェクトにはワールドカップで獲得した約6万ユーロ(約960万円)の賞金が役立ったことも明かした。

この休養期間は、オーストリア国籍を取得したオーストリアスキー連盟のモーグル選手、アビタル・キャロルの親しい友人でもある彼女にとって、良い影響をもたらしたようだ。

ザールバッハでは、地元ポンガウ出身のミリアム・プフナーやチェコのエスター・レデツカを抑え、見事滑降の世界チャンピオンの座をつかみ取った。

FIS公式Youtube配信の2025アルペンスキー世界選手権女子DHダイジェスト


ドーピング停止処分からの金メダル:「私は罰を受けた」

ブリージー・ジョンソンは来て、見て、そして勝った。彼女はドーピングによる出場停止の理由や、オーストリア出身の親友について語る。

1年も経たないうちに、滑降の新女王にとってスポーツ界の状況は一変した。2024年5月14日、スピードスキーのエースであるジョンソンは、遡って14か月の出場停止処分を受けた。その理由は、ドーピング検査を3回受け損ねたことだった。そこから始まったのは、厳しい日々。ようやく処分が明けたのは2024年12月10日だった。

「その間、自分専属のコーチを雇い、サースフェー(スイス)でプライベートチームとして練習を重ねてきました。彼らは私を支えてくれたので、この金メダルを彼らに捧げたい気持ちです」と、ジョンソンは感極まった様子で語った。


処分の原因は「自分のミスと不運の組み合わせ」

彼女の出場停止処分は過去にも何度も話題になってきた。処分後も違反行為については議論が続いたが、ジョンソン自身は世界選手権優勝後にこう語っている。「これは自分のミスと不運が重なった結果です。私は3回検査を受け損ねましたが、それぞれ理由は異なります」。

29歳のジョンソンは詳細を説明する。「最初のミスは完全に私の責任です。単純に見落としてしまいました。だから2回目は気をつけようとしました」。しかし、それもうまくはいかなかったという。「2回目は連絡の問題がありました。電話番号が2つあり、混乱してしまったんです」。

そして3回目の違反については、ドーピング検査に使用されていたアプリのエラーが原因だったと主張する。「アプリ上に誤った場所が表示されてしまったんです。でも私は常に検査官に見つけてもらえるように努めていましたし、『車でそこまで行く』とまで申し出ました」。

しかし、検査官の対応は一様ではなかった。「担当者によって対応が違うんです。ある人はチャンスをくれますが、ある人はそうではありません」とジョンソンは説明した。


親友はオーストリア人

それ以来、金メダリストのジョンソンはより注意を払うようになり、携帯番号や検査場所を何度も確認するようになった。「私がもっと上手く対処できたことは分かっています。14か月という処分は、彼ら(当局)が妥当だと判断したもので、私はその期間をしっかり過ごしました。今、私はまたここにいます!」

そして彼女は、ザールバッハの女子滑降のコースウリ・マイヤーコースでその存在感を示した。トレーニングの時点で、すでに多くの人が彼女を優勝候補として注目していた。そしてスタートゼッケン1でスタートしたジョンソンは、他の選手が破ることのできないタイムを刻んだ。最も善戦したのは、2位のミリアム・プフナーと3位のエスター・レデツカだった。

数週間前から、「この世界選手権のコースはジョンソンにとって理想的だ」と多方面から言われていた。そして彼女は、それを見事に証明した。ひたむきな努力の結果だという。

フリースタイル・モーグル選手のアビタル・キャロルは、元々アメリカ出身だが、2022年からオーストリア代表として競技に出場している。そして、彼女とジョンソンはアメリカでのリハビリ中に出会い、それ以来、特別な親友となった。

「彼女は私の親友!」と、ジョンソンはゴール後、満面の笑みで語った。

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