2024ヴァルディゼール、ワールドカップ開幕前日
shimizuishio
SkiMagazine.jp
2試合連続でワールドカップポイントを獲得し、今回も1本目から果敢な攻めを見せたが、前半でのミスを取り戻すには至らず、トップと4秒32差で2本目進出を逃した。結果次第では第2シード入りの可能性もあっただけに、悔しさの残るレースとなった。


フランス・ヴァル・ディゼールで行われたFISアルペンワールドカップ・スラロームで、ノルウェーのティモン・ハウガンが見事な優勝を飾った。この勝利は単なる一勝ではなく、地元ノルウェーでは「歓喜の日」として大きく報じられている。ノルウェーの有力紙は、今季ノルウェー男子にとって初勝利である点を強調し、長く続いていた停滞感を打ち破る象徴的な結果として位置づけた。注目すべきは、ハウガン個人の勝利であると同時に、ノルウェー勢が上位に複数名食い込んだ「チームとしての成功」として伝えられている点だ。

現地メディアは、派手な技術や瞬間的なスピードよりも、ハウガンの冷静なレース運びを高く評価しており、難所では無理をせず、雪面変化に合わせて圧をコントロールし、2本を通して安定した滑りを貫いたことが勝因として挙げられている。また、今シーズンは腰に不安を抱えながらレースに臨んでいた背景にも触れられ、焦らず、勝てる条件が整ったレースで確実に結果を出す成熟した姿勢が、今回の勝利につながったと分析されている。長年ノルウェー男子を牽引してきたヘンリック・クリストファーセンというベテランの存在と対比する形で、ハウガンは「次の時代を担う勝者」として自然に位置づけられ、今回のヴァル・ディゼール制覇は、現代スラロームが単なる技術比べではなく、状況判断と戦略を含めた総合力の競技であることを明確に示したレースだったと言える。