ヴァルディゼール大回転
W杯難コースの一つフランス・ベルヴァルドを制圧したスイス勢 ― メイラール、完成度の高いで今季4勝目

アルペンスキー・ワールドカップ男子大回転が、フランス・ヴァルディゼールのベルヴァルドで開催され、スイス勢がレースを完全に掌握した。ロイク・メイラールが優勝、ルカ・アエルニが2位、マルコ・オーデルマットが3位に入り、スイス勢が表彰台を独占。今季4度目となるスイスのトリプル表彰台が実現した。
ベルヴァルドは起伏変化が多く、ターン後半でのラインコントロールと雪面コンタクトの質が問われるコース設定。特に後半セクションではスピードに乗せながらも、板を走らせ過ぎない繊細な操作が要求された。
メイラール、ターンの完成度で勝負を制す
メイラールは2本を通じて、ターン前半から板を的確に捉え、深い外脚荷重を維持したままラインをコンパクトにまとめる滑りを披露。切り替え局面での上体の安定感と、ターン後半での推進力の維持が際立ち、僅差の争いを制した。
1本目終了時点では5位とやや出遅れたが、2本目ではタイムを着実に詰め、最終的にアエルニに0.18秒、オーデルマットに0.33秒差をつけて優勝。ワールドカップ通算8勝目を挙げた。
アエルニ、攻めと安定の理想的バランス
1本目13位から2位へとジャンプアップしたルカ・アエルニの滑りも印象的だった。2本目ではライン取りの判断が的確で、ターンサイズを抑えながらスピードを殺さない滑りを実現。板の走りを引き出しつつもリスクを最小限に抑え、完成度の高いランで順位を大きく伸ばした。
オーデルマットは堅実、しかし僅差届かず
3位に入ったマルコ・オーデルマットは、大きなミスのない安定した滑りを見せたものの、メイラール、アエルニの持つターン後半の加速力には一歩及ばなかった。それでも、荒れた雪面状況の中で確実にまとめる対応力は、王者の健在ぶりを示している。
ライバル勢は後半に苦戦
1本目首位のシュテファン・ブレンシュタイナー、ノルウェー勢のヘンリック・クリストファーセン、ティモン・ホーガンはいずれも2本目で細かなミスが重なり後退。特に後半セクションでのラインの膨らみがタイムロスにつながった。
4位はホーガン(+0.42秒)、5位はブレンシュタイナー(+0.47秒)。2本目最速のアメリカ、リバー・ラダムスは15位から6位(+0.54秒)まで浮上し、存在感を示した。
スイス大回転陣の層の厚さ
今回の結果は、3月15日のハフィエル大回転以来となるスイス勢の表彰台独占。当時もメイラールが勝利し、オーデルマット、トーマス・トゥムラーが続いている。今季のスイス大回転陣は、個々の技術完成度と状況対応力の高さで他国を一歩リードしていると言えるだろう。
ジャパンチーム 加藤聖五も僅かに2本目に進めなかった。
オリンピック出場をかけて、果敢に攻めたが、残念ながら、2本目に進めなかった。技術的にはいい状態だったものの、連戦の疲れが少し残っていたようだ。次回のW杯アルタバディアで、W杯ポイントを獲得を、オリンピックに向けて全力で臨んでほしい。

