来年のミラノ/コルティナ五輪で採用のチームコンバインでスイスチームが表彰台独占

shimizuishio

スキー世界選手権:スイス勢が複合で表彰台を独占、フォン・アルメンとメイヤールが優勝

オーストリア・ザールバッハで開催中のスキー世界選手権で、スイスの快進撃が止まらない。スーパーGと滑降での勝利に続き、水曜日に行われたチームコンバインド(複合)では、なんと6人のスイス選手が表彰台を独占。フランジョ・フォン・アルメンとロイク・メイヤールのペアが金メダルを獲得した。

フォン・アルメン、2つ目の金メダル獲得

日曜日の滑降で世界王者に輝いた23歳のフォン・アルメンは、わずか数日で自身2つ目の金メダルを手にした。夏は大工として働く彼は、ダウンヒル(滑降)で2位につけた後、チームメイトのロイク・メイヤールがスラロームで堅実な滑りを見せ、見事優勝を果たした。

スイス勢が1-2-3フィニッシュ

2位にはアレクシス・モネー(滑降で銅メダル)とタンギー・ネフのペアが、トップとわずか0.27秒差で入った。3位にはステファン・ロジェンタンとマルク・ロシャのペアが0.43秒差で続き、スイス勢が表彰台を独占する圧巻の結果となった。

「スイスの3チームが表彰台を独占するなんて、信じられない!」とレース後、ロイク・メイヤールは興奮気味に語った。フォン・アルメンも「こんなレースばかりだと、心臓がもたないよ」と喜びを語った。

スイスの圧倒的な強さ

マルコ・オーダーマットのスーパーG優勝(金)、フォン・アルメンの滑降優勝(金)とモネーの3位(銅)、そして今回の1-2-3フィニッシュ。これでスイス勢は、男子レースで可能な9つの表彰台のうち6つを獲得するという圧倒的な強さを見せている。

しかも、このチームコンバインドにはスイスのエース、マルコ・オーダーマットは出場していない。彼は金曜日の大回転に向けて休養を選択していた。

選手たちもこの新しい種目に満足

この大会で初採用された「チームコンバインド」は、ダウンヒルを滑る選手とスラロームを滑る選手がペアを組む新たなフォーマット。ミラノ/コルティナ五輪でも正式種目として採用される予定で、選手たちや観客からも好評を得ている。

「こういう瞬間を仲間と共有できるのは素晴らしい経験だし、とても楽しい」と語ったのは、フランスのマチュー・バイエ。彼はヴィクトル・ムファ=ジャンドと組み、10位でフィニッシュした。

また、「個人のコンバインドはなくなりつつあるが、この新しい種目は素晴らしいと思う。新鮮さをもたらし、違った形のプレッシャーが加わる」と、新形式を評価した。

この新種目は、従来の「個人コンバインド」に代わる形で世界選手権に導入された。個人コンバインドは、最もオールラウンドなスキーヤーを決める伝統的な種目だったが、近年は選手の専門化が進む中で存続が難しくなっていた。

フランス勢にまたも試練、ノエルがスラロームで途中棄権

新種目が好評を博す一方で、この種目でメダルを取りに行ったフランスチームの落胆は大きい。スラロームのエースであるクレマン・ノエルを擁し、有力視されていたが、思わぬ形でレースを終えることになった。

2022年のオリンピックチャンピオンであり、今季すでに4勝を挙げているノエルだったが、スラローム序盤でポールをまたぐミスを犯し、ニルス・アレグルとのペアは記録なしに終わった。

「スラロームではこういうミスもある」と、ノエルは冷静に振り返る。「すごく良い感覚ではなかったし、スタートもうまくいかなかった。少し焦ってしまったのかもしれない」。

それでも、日曜日に控えるスラロームでの世界選手権初タイトルに向けて、「落ち着いて適応し、冷静に挑みたい。スキー自体の状態は良い。今日はうまくいかなかったけど、それだけのこと」と前を向いた。また、フランスのスティーヴン・アミエは、マクセンス・ミュザトンと組んでレースに挑んだが、序盤に慎重になりすぎて失速し、最終順位は12位に終わった。

アルペンスキー世界選手権は、木曜日の女子大回転へと続く。

SkiMagazine.jp
SkiMagazine.jp
SkiMagazine.jp
スキー愛好者のためのスキー情報サイト「SkiMagazine.jp」へようこそ! 最新のスキー情報、技術向上のためのヒント、装備レビュー、旅行ガイドからスキーイベントの特集まで、スキーに関するあらゆる情報を網羅しています。初心者から上級者まで楽しめる内容が満載。雪山を満喫するためのパートナーとして、あなたのスキーライフをさらに充実させるコンテンツをお届けします。
記事URLをコピーしました