2025年アルペンスキー世界選手権に新競技「チームコンビネーション」登場
2025年アルペンスキー世界選手権(ザールバッハ・ヒンターグレム)では、新たな革新的競技「チームコンビネーション」が導入されます。このフォーマットは、従来のアルペンコンバインドの進化形として、世界選手権で初めて実施されます。しかし、新しい「チームコンビネーション」は従来の形式と何が違うのでしょうか?






アルペンコンバインドからチームコンビネーションへ
クラシックなアルペンコンバインドは、スピード系種目(ダウンヒルまたはスーパーG)とスラロームの2本のレースで構成されます。1人の選手が両方の種目に出場し、合計タイムで順位が決まります。
これに対し、新しい「チームコンビネーション」では、同じ国の2名の選手がチームとして競います(男女混合チームはなし)。1人がダウンヒル、もう1人がスラロームに出場し、同じ日に両種目が実施されます。合計タイムによってメダルが決定されるため、各国のトップ選手のみが出場することになります。
チームコンビネーションのルール
- チーム構成:同じ国の2名の選手(2月11日は女子、2月12日は男子)
- 種目:1人がダウンヒル、もう1人がスラロームに出場
- スコアリング:両選手のタイムを合算し、最も速いチームが勝利
- スタート順:1本目(ダウンヒル)はあらかじめ決められた順序でスタート。2本目(スラローム)は、ダウンヒルの上位30名のスキーヤーのチームが逆順でスタート(従来の技術系レースと同様)。
チームとペアリング
「チームコンビネーション」の導入により、異なる強みを持つ選手同士のエキサイティングなペアリングが可能になりました。特に注目されるのが、アメリカの「ドリームチーム」、ミカエラ・シフリンとブリージー・ジョンソンのペアです。ジョンソンは数日前にダウンヒル世界チャンピオンの座を獲得し、スラロームの名手であるシフリンと組んでさらなるメダルを狙います。
他の国々も、スピード系と技術系のスペシャリストを組み合わせた強力なチームを編成しています。女子の注目チームの一つは、エマ・アイヒャー(DH)とレナ・デュール(SL)のペア。男子では、オーストリアのヴィンセント・クリーヒマイヤー(DH)とマヌエル・フェラー(SL)が有力な表彰台候補となっています。
この新しい種目は、より一層の興奮をもたらすだけでなく、コーチ陣にとっても成功への最適なペアリングを見つける戦略的な要素が加わります。
可能性を秘めたフォーマット
2025年FISアルペンスキー世界選手権での「チームコンビネーション」の導入は、スキー競技の進化における重要な一歩となります。FISレースディレクターのマルクス・マイヤー氏も、このイベントに期待を寄せています。
「チームコンビネーションは非常にエキサイティングな競技であり、観客にとっても素晴らしいショーとなるでしょう。」
各チームがトップアスリート2名の個々の強みを組み合わせることで、ダイナミックかつ戦略的な要素を持つこの新フォーマットは、選手と観客の双方にとって新鮮でスリリングな挑戦となるでしょう。
今後の展望
「チームコンビネーション」は、個人戦とは異なる新たな戦略やチームワークが求められるため、従来のアルペンコンバインドと比べて魅力的な競技となる可能性があります。特に、トップスキーヤー同士のペアリングが生み出すダイナミクスや、スピードと技術の組み合わせが勝敗を左右する点は、視聴者にとっても興味深い要素となるでしょう。
今大会での成功次第では、今後の世界選手権やオリンピックでの正式種目としての定着も視野に入るかもしれません。スキー競技のさらなる発展を促すこの新フォーマットが、どのように進化していくのか、今後の展開に注目が集まります