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2023年女王ミカエラ・シフリンの挑戦

女王ミカエラ・シフリンの挑戦

2023世界選手権の後、新しいミカエラ・シフリンを目指す。

「これまでの2週間は素晴らしいものでした。私は失望、興奮、ストレス、そして勝利の瞬間を経験しました。今回の世界選手権に全力を注ぎました。人々は私が金メダルを逃したと言うかもしれませんが、私は銀メダルを獲得したことに満足しています。そして、この回転ですばらしいパフォーマンスで、金メダルに輝いたローランスとカナダのチームに祝福を送ります。

世界選手権の約2週間は心身ともに疲弊し、心の状態は非常に重要です。対処するのが難しい日があるときは、チームのサポートが大切と感じました。しかし、最終日のスラローム2本目はとても緊張しました。

この2週間はとても忙しく、私、チームには、様々な感情、プレッシャーたがありました。私にとって、今回の大会で使われた回転コースはスピードが非常に速く、多くのことを予測する必要があります。2本目私はミスを犯し、リカバリーする間もなく、必要なエネルギーが不足していました。

私の心の中では、金メダルを目指してスキーをしていましたが、完璧ではありませんでした。特に、ローランスは信じられないほど素晴らしかったです。私は今でもとても誇りに思っていますが、まだまだ学ぶことがたくさんあります。

ミカエラ・シフリンの原点

ステンマルクの記録を塗り替えようとしているミカエラ・シフリン。彼女が育ったコロラド・ベイルで、WC82勝の記録を持つリンゼイ・ボンののもと、頂点を目指す挑戦が始まった。

ベイルは世界で知られている国際スキーリゾート。石畳みの歩道、高級ブティックが立ち並ぶアメリカ屈指のスキーリゾート。一般スキーヤーがここでミカエラ・シフリンの存在を知る機会は少ない。唯一彼女の名前が付いたコースがあること以外にないという意外な事実。

ただし、スキー・スノーボドクラブ・ヴイルを訪れると、スキークラブの規模と活動を見ることができる。練習用に整備された3つのモーグル専用コース、3つのアルペン練習コースを有し、必要に応じて、整備がなされている。在籍する選手はなんと500人。専用のピステン、スノーマシン、インジェクションシステムも備わり、練習環境はヨーロッパ諸国と同等の環境が整っている。

経済的にも、メンバーシップ制度によるクラブへの支援のほか、約数千万円のクラブシーズン登録などで、クラブが運営されている。

そんな環境の中で、シフリンは7歳の時にアルペン競技に目覚め、16歳の時にはオリンピックメダルを目指したという。同年全米選手権、翌年ワールドカップ初の表彰台。そこから始まった優勝記録はついにステンマルクのW杯86勝を超えようとしている。

その背景には、アメリカ最強のアルペン選手だったリンゼン・ボンの存在があった。彼女の技術指導のほか、トレーニング方法、メンタルコンディショニングにも及んだという。

近年アルペンで最も注目を集める選手としてマスコミに登場することが多く、その謙虚な姿勢と純粋さは多くの人を魅了している。

彼女自身も、ファンを大切にする思いから、積極的にソーシャルメディアを活用し、自身の生活、活動を多くの人と共有しています。地元でノルウェーのアルペン選手キルデとともに過ごしている様子を地元の人には良く知られている。

美しいアルペンレーサーの物語はまだまだ続く。